こんなタイトル、「なんだ?」って思われましたよね(汗)
今回は「平仮名表記」についての悲喜交々(ひきこもごも)をお伝えしたくて、そのテーマにまつわる言葉をタイトルにしてみました。
上の画像にある通り、私は手書きのときには「致します」と漢字で書いてしまいます。
(ちなみに自分で書いてみました‥‥)
視認性が高いのと、何となく同じ平仮名「い」を続けて書くのが苦手でして。
端的に言ってしまえば字が下手なだけですが、書き比べてなんとなくバランスがよく、下手なりに美しいような気がするのです。
ただ、校正者としては「致します」→「いたします」では?
というコメントを、日ごろ残すんですよね(そこに矛盾が!)。
今回はそのあたりを、私の個人的な気持ちも交えてお伝えしたいと思います。
※一応の「正解画像」は末尾にあります♪
なぜ「一応」を付けるか、もこの記事を読んでいただけるとわかるかと思います!
補助動詞のふしぎ
補助動詞をていねいに説明すると、動詞が二つ続いた後ろにあるほうの動詞、つまり「補助動詞」は平仮名表記が新聞や公文書の表記に多いのです。
ケース1)
風が吹いて居る →風が吹いている
「居る」(存在する)という意味合いが薄いので、平仮名にすることで、最初の動詞をきちんと伝える、というものはこのケースです。
ケース2)
あれを動かして下さい →あれを動かしてください
こちらは「下さい」(ちょうだい、英語だとgive)という意味が薄れるので、命令形として伝わるように、平仮名にすると思うのです。
または、動かした後にちょうだい、という意味を含む場合には漢字の原文ママの可能性があります。
ケース3)
教えて頂けますか →教えていただけますか
悩ましいですよね。ケース2)となにが違うのか。「頂く」(頂戴する)の意味が薄いから、平仮名。
んん? 待てよ。ほんとうに、そうなのか?
教えを乞うというのは、無形だけど頂戴しているもの(知識や経験、技術など)はありますよね‥‥。
そして、序文の「宜しくお願い致します」と同じく、漢字の方が見た目が引き締まって見えるのは私だけでしょうか‥‥。
もう、こういうのが気になって仕方が無くて、校正者になったようなものですが、必ずしも原則通りでなくても良いと思うのです。
これを、声を大にして言いたい。
「著者さまの文体やリズムで大丈夫ですよ!!!」と。
原稿にそんな熱いコメントを書いてしまっては、引いてしまうと思うので、ここで思いの丈をお伝えできてうれしいです(笑)。
他にも、形式名詞の問題も悩ましいのですが、校正をご依頼いただいた方には解説付きでお伝えしており、著者さまの意向を反映して解決を目指しております。
やり取りのなかでそれぞれの文体を発見されたり、「書き癖」への気づきがあったりというのは、一緒になって喜んでおります。改善するのはうれしいことです!
さらに常用外漢字の問題も
話が逸れてしまいましたが、もっと言ってしまえば、「宜」は常用外漢字なので平仮名表記が原則。
それで「ハイそうですか」と素直に従うと、以下のようになります‥‥。
よろしくお願いいたします
ムム‥‥、良くいえばソフトな、やさしい印象ですが、ちょっと平仮名が多くて幼稚にも取れるような。
特に手書きだと幅も取ってしまうし書きにくそう。男性だと、この平仮名続きの感じにちょっと抵抗があるかしら?
‥‥そうなんです、言葉には「正解」がないんですよね。
リズムを大切に、絞り出すようにして執筆されている皆様に敬意をこめて、むやみに文体をいじらないよう、やりとりに心を砕いております。
そんなこと気にしないけど、ココナラ「PRO校正者」
別の方向から、このお話を続けます。
先日お友達から
「こんな文章で、校正者にどんなふうに思われているか心配」
とメッセージをいただきました。普段のメッセージアプリでのことです。
「いやいやいや、気にしてないよ!! 校正スイッチ、普段は完全OFFです!」
とお伝えしたんです。実際、小説なども大好きで濫読しますが、OFFにしているからこそ楽しめるんですよね。仕事(校正作業)の3倍以上の速さでサクサク読めますし。
後になって「校正者目線が怖い」と思われていたことが、なかなかのショックで、ここで言い訳をさせてもらうことにしました。
安心してください、「校正チェック」していませんよ!
そんなに普段から細かい人間ではないんです。
むしろ大雑把な性格で、身内からしたら「なんでまた、文字校正?」と言われそうな雰囲気の人間です。
だからこそ、仕事では普段の何倍もの「遅さ」で、一字ずつ潰して作業しては、見直しも校閲もせっせといたします。
どうぞ怖がらずに、でも「ここぞ!」という原稿ではぜひご依頼ください。→ココナラ書籍校正
これからもどうぞ
よろしくお願いいたします!
コメント