校正校閲ことのわが手がけた校正実績を紹介しております。
今回は2025.8.1にリリースされた冊子のご紹介です!
本件は、文字校正の他、編集領域までお手伝いさせていただきました。
(一社)がんと働く応援団さまにて、累計45万部を配布してきた『がん防災®マニュアル』シリーズの新たな取り組みとして、『働く女性のためのがん防災マニュアル』の作成に春先から夏まで取り組み、とうとうリリースしました。

なぜ女性向け「がん防災マニュアル」?
2人に1人ががんになる時代。中でも20〜40代の女性は、同年代の男性に比べてがんに罹患する可能性が約3倍高いことが確認されています。
本マニュアルを通じて、多くの女性ががんに対する正しい理解を深め、日常の備えや万が一のことが起こった時の対応力を高められるように、シリーズ3作目として制作された冊子です。
女性版のほか、総合版(青色の冊子)、中小企業の経営者向け(緑色の冊子)があります。
完全な表現はない、という気づき
今回のお仕事では、どのような表現をすれば、実際に罹患された方やそのご家族にとって傷つかず、かつ伝わりやすい表現であるかを、関係者となんども練り直しました。
私自身、家族ががんになった経験はあるものの、実体験はなく、どこまで寄り添って制作できるか悩みながらの部分もありました。
私が気にかけていたのは、
▽読む人をむやみに不安にさせない表現
▽正解が複数あることを気持ちよく認められる表現
でした。著者さまの文章にその配慮が十分にありましたが、それでも読みようによっては解釈に幅が出てしまう場合には、注意深くコメントのやり取りをして修正しました。
がん当事者じゃなくても共感できること
私はがんには罹患したわけではないので、当事者にしかわからない心境の変化や体の状況をどの程度、正直に伝えるのがわかりやすいのか、についてはこのお仕事を4年前に始めた頃にはわかりませんでした。
しかし、私は2年近く前からリウマチに罹患していて薬を飲み続ける生活をしており、子宮についてもトラブルを抱えているので、「がん」の検診に領域を絞って良いものかと疑問に思ったり、「違う立ち位置」だからひらめくこともありました。
実際、多くの何百もの疑問出しのコメントをして、議論しながら文章が見えてきたこともあります。
冊子のテーマから外れるわけにはいかない部分はありますが、がんに限らず、持病や障がいを抱えているかたは多いと思うので、たとえば「仕事と治療の両立」というテーマでは、どなたでも読みやすいよう心掛けました。
ご自身が気持ちよく働き続けるためのリクエストはしても大丈夫、受け止めてもらうための工夫はこんなにもある、ということをお仕事を通じて感じました。
女性だからこそ、ご自身を大切にしてほしい
私はリウマチに罹患して、ある大企業相手のお仕事は手放したのですが、その大きな仕事の離職までの間、先方にはさまざまな思いやりやご配慮をいただいていました。
納期や効率化、勤務体系など、こちらのお願いを聞いていただいたのです。
でも願っていて勝手に叶ったのではなく、「持続可能なかたちを見出したい」「お互いの負荷を減らしたい(効率化)」という自分のニーズを、気持ちを添えて細やかに伝えたからこその着地点だったと思っています。
先方も優しさあふれるチームリーダーだったのですが、せっかくの思いやりがすれ違うことだけは避けたくて、具体的なコミュニケーションを心掛けていました。
個人的な話に脱線してしまいましたが、「我慢が美徳」と思って自分を責めたり、つらい状況に追い込むのは、もうやめませんか?
特に女性は子育て、介護、家族のケアにあたるケースが多く、線引きが難しいことも重々承知です。(ご飯やトイレといった基本の休憩すらも、ろくにできない新生児相手の時期は、私の気持ちも病んでたと思います。。)
日々「いのち」を相手にしている女性たちだからこそ、自分のいのち、も大切にして、体も心もケアしてほしいと願っています。
「自分を大切にしてね」というメッセージが詰まった一冊、無料ですのでぜひお手に取っていただければうれしいです。(冊子申込時には送料のみご負担があります。)
タイトル:働く女性のためのがん防災マニュアル
媒体:冊子(PDF版も「がんと働く応援団」HPよりダウンロード可能です。)
監修:全体 押川勝太郎(宮崎善仁会病院 腫瘍内科医、日本癌治療学会 広報・渉外委員会 専門委員
子宮頸がん 門間美佳(藤沢女性のクリニックもんま 院長)
乳がん 高野利実(がん研有明病院 院長補佐・乳腺内科部長)
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